おつかれヤマです、マッシュです。
この記事ではTUBBS(タブス)の山岳用スノーシュー、FLEX VRT(フレックス VRT)を紹介します。
フカフカの雪の上を歩くときに欠かせないのがスノーシュー。
しかし、最近のスノーシューは値段が高く、MSRの山岳モデルは6万円超えです。
でも大丈夫!そんな皆さんに紹介したいのがTUBBS FLEX VRT。
雪山登山に必要な性能を十分に備えながら3万円代で購入可能、山岳用スノーシューの中では最安値クラスです。
バインディングは僕も大好きなボアフィットシステムで超簡単に登山靴を固定できます。
新潟の雪山に登ってきた僕が、TUBBS FLEX VRTの特徴や実際の使用感、他製品との違いについて詳しく解説。
結論、スノーシューで雪山の山頂を目指す方にはぜひおすすめ!
TUBBS FLEX VRTを手に入れて、雪山遊びを一段レベルアップさせましょう!
TUBBS(タブス)とはアメリカ発のブランドでスノーシューの先駆者
TUBBSは、1906年創業のアメリカ発スノーシューブランドで、さまざまなユーザーの用途に応じたラインナップを展開しています。
木製スノーシューから始まり、現在では最新技術を取り入れた軽量で高性能なスノーシューを提供。
特徴的な技術には、フィット感を簡単に調整できるBOAクロージャー・フィット・システムや、快適な歩行を可能にするフレックステイルがあります。
その中でも、この記事で紹介するFLEX VRTはTUBBSの中で最も山岳用に適した高性能モデルです。
その他にもTUBBSには軽量で扱いやすいモデルが多いため、初心者や家族でスノーシューハイキングを楽しみたい方にも人気があります。
TUBBS(タブス)FLEX VRTの特徴
トーションデッキとフレックステール
FLEX VRTの樹脂製デッキは「トーションデッキ」と「フレックステール」という2つのテクノロジーが採用されています。
トーションデッキは、凸凹の雪面に接地したときにねじれることで衝撃を吸収、足関節への負担軽減します。
モデルの名称にも使われている「フレックステール」は、ヒール部分に柔軟性を持たせることでスノーシューが苦手な下山時でも自然な歩行を可能としています。
急斜面や深い雪などの状況で長時間歩いてもエネルギー消費を軽減し疲れにくい設計に仕上がっています。
バインディングはボアフィットシステム(「FLEX ALP」との違いはこれだけ)
このバインディングはダイナミックフィットバインディングと呼ばれ、ボアクロージャー・フィット・システムとEVAフォームを組み合わせた作りになっています。
お馴染みのボアフィットシステムはダイヤルを回すだけで均等に登山靴を固定。
登山靴と接する部分には柔らかい素材のEVAフォームを採用することでフィット感を高めています。
FLEX VRTとFLEX ALPとの違いは、このバインディングのみ。
FLEX VRTがボアフィット、FLEX ALPがストラップを採用しています。
EZヒールバックルとTPUシンチストラップ
かかと部分の固定は、TPU製ストラップとEZヒールバックルで調整できます。
耐久性のあるストラップと緩みにくいバックルの組み合わせでハードな歩行でもガッチリホールドしてくれます。
通常のベルトと同様にバックル側の突起にストラップの穴を入れることで留められます。
クランポン
FLEX VRTの足裏にはは「Viper2.0カーボン・スチール・トゥー・クランポン」が付いています。
全6本の爪が急斜面でのトラクションを生み出し、あらゆる方向にしっかりグリップしてくれます。
山岳用スノーシューのFLEX VRTは平坦地用と比べると爪の数が多く、それぞれの爪が長いのが特徴です。
トラクションレール
スノーシューの裏側にはギザギザのトラクションレールが2本付いています。
トラバースなどにおける横滑りを防止。
クランポンと合わさることで、前後左右あらゆる雪面でもしっかりグリップしてくれます。
ヒールリフト
山岳用スノーシューには大抵備わっているヒールリフト。
登り坂がキツくなってきたら、このヒールリフトを上げることでふくらはぎやアキレス腱にかかる負担を軽減してくれます。
TUBBSの公式HPにはこのヒールリフトを使用したスノーシューを「山登りマシン」と表現しています。
メンズ・レディースの違いはサイズラインナップとカラー
FLEX VRTにはメンズ・レディースそれぞれのモデルがありますが、違いはサイズラインナップとカラーです。
メンズは25インチ・29インチ、レディースは21インチ・24インチです。
サイズにより浮力に差はあるもの、基本的な性能に違いはありません。
そのほか、バインディングの大きさに若干違いがあるものの、デッキの形状やクランポン、トラクションレールに違いはありません。
TUBBS(タブス)FLEX VRTのレビュー
登る力は想像以上!アイゼン並みの食いつきでグイグイ登る
急斜面で滑ってずり落ちる心配がなく、アイゼンに近い安心感がありました。
クランポンは6本ある爪のうち2本が前傾しており、つま先を蹴り込んでグリップさせることでグイグイ坂道を登っていく感覚があります。
さすがTUBBSの山岳用スノーシューだけあって登る性能は文句なしです。
フレックステールは想像以上の歩きやすさで取り回しもしやすい
フレックステールは、ヒール部分に柔軟性を持たせることで歩行をサポート、特に下山時に性能がより発揮されます。
たしかに長時間の歩行でも足の疲れが溜まりにくく感じた点が印象的でした。
スノーシューは小回りや後退が苦手ですが、その点も取り回しがしやすく歩きづらさはあまり感じませんでした。
浮力はワカンよりも格段に上
僕はワカンも使用しますが、浮力はスノーシューが圧倒的に優れています。
ワカンは踏み抜きが多く、一度踏み抜くと抜け出すのにひと苦労。
スノーシューの場合はまず踏み抜くことが少なく、仮に踏み抜いてもワカンよりも浅いので次の一歩を出しやすく、体力の消耗度合いが全然違います。
スノーシューなら、その浮力ゆえにノートレースでも楽しくラッセルできます。
ボアフィットシステムは靴を乗せてダイヤルを回すだけ!緩みもなし
ボアフィットシステムは、便利すぎて一度体験するとやめられません。
グローブをしたままでも操作可能。
寒くてグローブを外したくない状況でもストレスなくスノーシューをセットできます。
装着が簡単過ぎるので「緩みやすいのでは?」と心配になるかもですが、登り・下り・トラバースとさまざまな斜面を歩いても緩みは感じませんでした。
ヒールストラップとの組み合わせでガッチリホールドしてくれています。
トラクションレールは横方向の滑りに強い!でも逆エッジには注意
このトラクションレールはグリップ力が非常に強く、横方向へのブレをまったく感じません。
トラバース時には安心して歩くことができます。
スノーシューが苦手な急な下り坂でも、進行方向に対してボディを垂直(横向き)にしてトラクションレールでグリップを効かせることで、より安全に下ることができます。
ただし、グリップが効きすぎて逆エッジで転倒するリスクがあるので注意です。
ヒールリフトは立ったまま操作可能!しゃがむ必要なし
ヒールリフトはモデルによっては上げ下げの操作が硬いことがあります。
FLEX VRTの場合はとてもソフトな操作性で、トレッキングポールのグリップ側を引っ掛けるだけで上げ下げ可能。
立ったまま簡単にできるのでしゃがむ煩わしさがないのは嬉しいポイントです。
ボアフィットのバインディングは収納時にはかさばる
ボアフィットシステムは、片手でダイヤルを回すだけで素早く装着できる反面、収納時にはこのバインディング部分が干渉してしまいます。
持ち運ぶ際には、左右のスノーシューを重ねてリュックに固定しますが、FLEX VRTはバインディングに厚みがあるのでピッタリ重ねられません。
僕は重ねる際は、スノーシューの裏側部分を合わせていますが、つま先が違う方向を向いてしまいます。
スノーシューはサイズが大きいので持ち運ぶ際にはひと工夫必要です。
重心がやや前寄りなので、登りはすこぶる強いが下りはツンのめる
FLEX VRTで雪の上を歩いてみると、重心がやや前寄りな印象を受けました。
歩行時には前部が沈み込みやすく、後部が浮く感覚があります。
重心が前寄りになることで特に下り坂では多少つんのめる感じがありました。
そのため、地形によっては慣れが必要となるかもしれません。
ただし、重心が前寄りにあることで、クランポンの効きが良くなり、登り斜面での推進力をサポートしてくれます。
たしかにFLEX VRTは登りにすこぶる強い印象です。
サイズの大きいスノーシューで狭い道を歩くときは気を遣う
フレックステールのおかげで取り回ししやすいと前述しましたが、スノーシューはサイズが大きいので、狭い道では左右のボディを接触させないように気を遣います。
スノーシューを装備することで片足約10kgの負担が増すことになります。
雪山では天候の厳しさに加え、装備の重量を考えてもコースタイムは夏山よりはだいぶ長めに見積もっておいた方が良いです。
TUBBS(タブス)FLEX VRTの装着方法
僕は以前ATLAS(アトラス)のストラップ式スノーシューを使っていましたが、ボアフィットは比べ物にならないくらい簡単に装着できます。
ここではボアフィットバインディングがどれくらい簡単に装着できるのか説明します。
ボアフィットのワイヤーとEZヒールバックルを緩めておく
ボアフィットのダイヤルを引っ張ってロックを解除しておきます。
その状態で軽くEVAフォームを上げるとワイヤーが緩みます。
かかと部分は、EZヒールバックルを解除しておけばストラップを緩めることができます。
登山靴をバインディングの奥まで入れる
ワイヤーとストラップを緩めたら登山靴をバインディングの奥まで入れます。
EZヒールバックルは片手で引っ張れば固定できる
登山靴をバンディングにセットしたらまずかかと部分のストラップを固定します。
かかと部分のストラップはEZヒールバックルを解除した状態で引っ張り、適度な締め具合でバックルを畳めば固定できます。
ダイヤルを押してカチッと鳴ったら回すだけで固定できる
ボアフィットシステムのダイヤルを押し込むと「カチッ」と鳴ります。
あとは時計回りに回すだけで均等に固定できます。
TUBBS(タブス)FLEX VRTのサイズ選び
スノーシューの長さは、自分の体重と装備の合計重量を考慮して選びます。
以下でTUBBSのHPで紹介されているサイズ表を掲載します。
重量(体重+装備) | スノーシューの長さ |
---|---|
36〜73kg | 21インチ(約53センチ) |
55〜91kg | 25インチ(約64センチ) |
86kg以上 | 29インチ(約74センチ) |
取り回しを重視したい場合は21インチがおすすめですが、サイズが小さいと浮力も小さくなります。
また、浮力を重視して29インチを選ぶと、登山をするとき長すぎて安全な歩行を妨げることもあるので注意。
最も多くの人に適したサイズは25インチではないかと思います。
山岳用スノーシューの価格比較(TUBBS、MSR、ATLAS)
この記事で紹介するTUBBSと並ぶスノーシュー人気ブランドであるMSRとATLAS。
この3ブランドの山岳用スノーシューをピックアップして価格を比較。
6万円超のMSRライトニングアッセントに対して、3万台で買えるTUBBS FLEX VRTはコスパが際立ちます。
FLEX VRTと同じ樹脂製デッキを採用したATLASレンジMTNも3万円台で買えるスノーシューです。
ブランド | 商品名 | 価格 | 画像 |
---|---|---|---|
TUBBS | FLEX VRT | 39,600円 | |
MSR | ライトニングアッセント | 68,200円 | |
ATLAS | レンジ MTN | 55,000円 | |
ATLAS | ヘリウム MTN | 39,600円 |
TUBBS(タブス)FLEX VRTのECショップでの評判
Amazonを初めとしたECショップでの評価をリストアップしてみたので参考にしてください。
全体として、高性能で多くのユーザーから支持されていますが、特定の状況や個人の好みによってはデメリットを感じる場合もあるようです。
購入を検討する際の参考にしてください。
良い評価
悪い評価
TUBBS(タブス)FLEX VRTはこんな人におすすめ
FLEX VRTは、スノーシューで雪山登山を楽しみたい人に最適。
特に以下の方におすすめです。
総じて、スノーシューで山頂を目指す方にぜひおすすめしたいアイテムです。
- 登りも下りも安定感を求める方
クランポンとトラクションレールがどんな雪面でも食いつき滑り防止。
下り坂ではしなやかなフレックステールがあらゆる雪面に対応し、他のスノーシューと比較して下りが得意。 - スピーディーな装着や調整を求める方
ボアフィットシステムにより、グローブをしたままでも簡単に着脱できる。 - 価格も重視してスノーシューを購入したい方
MSRやATLASと比較して手頃な価格。
TUBBS(タブス)FLEX VRTレビューまとめ
TUBBS FLEX VRTは、雪山登山に最適なスノーシューとして、多くの登山者から支持を集めるモデルです。
ワカンだと深雪ラッセルで体力消耗して撤退するような場合でも、スノーシューなら体力を温存しながら確実に登っていけます。
登り・下り共に、急斜面での歩行時における安定性能は山岳用スノーシューの中でも際立って優れています。
これを機にTUBBS FLEX VRTで雪山ラッセルを楽しみましょう!