おつかれヤマです、マッシュです。
今回は、南アルプスの鳳凰山(ほうおうざん)に日帰り登山してきました。
青木鉱泉からドンドコ沢コースを登り、鳳凰三山(ほうおうさんざん)+高嶺(たかみね)を登って中道コースを下るコースを選択。
月曜日ということもありすれ違いは3人のみ、南アルプスの大展望を眺めながら静かな登山を楽しめました。
鳳凰山はコースタイムが長いですが、危険な場所は少なく、体力があれば初心者でも登れる山ですので、ぜひチャレンジしてみてください。
鳳凰山は3つの山の総称で最高峰は観音岳(標高2,840m)
鳳凰山は、南アルプスの山で、日本百名山に選ばれています。
「鳳凰山」という名称は、地蔵ヶ岳(2,764m)、観音ヶ岳(2,840m)、薬師ヶ岳(2,780m)の三つの主要なピークの総称で、「鳳凰三山」とも呼ばれます。
山頂や稜線からは、周囲の南アルプスの山々を一望でき、晴れた日には富士山が壮大に見えるのが魅力です。
三山を結ぶ稜線は比較的なだらかで、南アルプスの他の険しい山々に比べて歩きやすいのが特徴です。
地蔵ヶ岳の山頂付近には「オベリスク」と呼ばれる巨大な花崗岩の岩山があり、鳳凰山のシンボル的存在です。
登ることもできるようですが、かなり危険なので注意しましょう。
鳳凰山の登山コース紹介(初心者には夜叉神コースがおすすめ)
各コースの距離と標準コースタイム(往復)
コース名 | 登山口 | 距離(往復) | 標準コースタイム(往復) | 標高差 |
ドンドコ沢・中道コースの周回 | 青木鉱泉 | 15.1km | 12時間50分 | 1,741m |
燕頭山コース | 御座石鉱泉 | 15.3km | 13時間55分 | 1,773m |
夜叉神コース | 夜叉神峠 | 23.5km | 15時間15分 | 1,448m |
白鳳峠コース | 広河原 | 12.6km | 12時間7分 | 1,242m |
早川尾根コース | 北沢峠 | 23.7km | 18時間47分 | 804m |
※距離と標準コースタイムはYAMAPアプリの登山計画で計算しています。
※標高差は観音ヶ岳(2,840m)と各コース登山口標高の差で計算しています。
ドンドコ沢コースと中道コースの周回(登山口:青木鉱泉)
ドンドコ沢コースと中道コースは、どちらも青木鉱泉を起点とするコース。
ドンドコ沢コースを登り、鳳凰三山を縦走して、中道コースを下るパターンが多いです。
ドンドコ沢コースは鳳凰小屋を経由して地蔵ヶ岳へ至ります。
途中から急登が続き、体力が必要ですが、滝巡りが楽しめるのが魅力です。
地蔵ヶ岳の直下で展望が開けますが、滑りやすい砂地で体力を消耗しやすいのでゆっくり歩きましょう。
中道コースは、薬師ヶ岳より下はひたすら樹林帯を歩くため展望は望めません。
難しいコースではないですが、途中にある御座石の付近は急登が続きます。
日帰りでも可能ですが、途中の鳳凰小屋で1泊すれば時間に余裕を持った山行ができます。
今回は僕もこのコースを歩きましたが、南アルプスや富士山を一望しながらの稜線歩きは最高です。
燕頭山コース(登山口:御座石鉱泉)
御座石鉱泉から登り始め、燕頭山(つばくろやま)を経由して、鳳凰小屋を拠点に地蔵ヶ岳や他の鳳凰三山に向かう縦走ができます。
燕頭山までは急登が続きますが、登山道はとても整備されているので歩きやすいです。
燕頭山コースは、登山者が比較的少なく静かな山行を楽しめるので、混雑を避けたい人におすすめです。
夜叉神コース(登山口:夜叉神峠)
登山口である夜叉神峠からは富士山をはじめとした絶景が楽しめます。
距離は長いですが、比較的傾斜が緩やかで、登山道も整備されているため初心者にもおすすめです。
途中に薬師ヶ岳小屋と南御室小屋があるので、1泊して鳳凰三山をゆっくり堪能するプランもいいですね。
白鳳峠コース(登山口:広河原)
北岳の登山口でもある広河原からスタート。
白鳳峠を経由して高嶺、地蔵ヶ岳へと至ります。
白鳳峠への道は非常に急登で、道は険しく、不明瞭な場所もあるため注意が必要です。
広河原は、北岳や間ノ岳への登山者で特に夏は混雑することが多いですが、ここから鳳凰山へ向かう登山者は少数派です。
早川尾根コース(登山口:北沢峠)
仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳の登山口である北沢峠をスタートし、早川尾根を経由して鳳凰三山へ至るロングルートです。
長い距離を歩く体力が求められますが、南アルプスの多彩な景観を楽しむことができます。
縦走をメインに考えている上級者向けです。
鳳凰山の登山口情報(青木鉱泉)
ドンドコ沢コースの登山口にある青木鉱泉は、例年4月下旬から11月まで営業しています。
宿泊は素泊まりのみ、隣にキャンプ場もあり、日帰り入浴も可能です。
12月に入ると青木鉱泉へアクセスする県営林道が冬期通行止めになるため、冬は夜叉神コースから登る人が多いです。
青木鉱泉の駐車場(1日800円)
青木鉱泉手前に駐車場の看板が立っています。
日帰り登山者用の駐車場はP1からP4の4ヶ所。
料金は800円です。
看板の下に「駐車券をお求めください」と書いてありますが、日帰り登山で早朝出発の場合は払えません。
その場合は、下山したら車のワイパーに料金支払い催促の紙が挟まっています。
駐車場の様子。
小屋に一番近いのは右上の「P1の奥」ですが、地面が斜めになっているので車中泊する場合はP3かP4がおすすめです。
下山後に挟まっている料金支払い催促の紙です。
トイレ
トイレは駐車場から歩くと小屋手前にあります。
照明あり&水洗で山奥とは思えない綺麗なトイレでした。
チップ制で箱がトイレ入口に設置してあります。
スマホ電波(docomo)
docomo(ahamo)の電波は山奥とは思えないほど高速でした。
青木鉱泉についてからでもヤマップ地図のダウンロードができますね。
鳳凰山の日帰り登山レポート(青木鉱泉から周回)
鳳凰山日帰り登山のヤマップデータ
鳳凰三山(地蔵、観音、薬師) + 高嶺 / マッシュさんの地蔵ヶ岳(地蔵岳)・薬師岳(山梨県)・高嶺(山梨県)の活動データ | YAMAP / ヤマップ
青木鉱泉から午前5時にスタート、登りはドンドコ沢コース
「道の駅 南きよさと」にて車中泊。
その後、午前3時には青木鉱泉に到着しましたが、2度寝してしまい午前5時の登山開始です。
ドンドコ沢の滝巡り
「ドンドコ沢」という名前だけあって沢沿いを登っていき、途中で滝がいくつも現れます。
渡渉も何回かありますが危険な場所はありませんでした。
ややテクニカルなロープ場もあります。
南精進ヶ滝。
ドンドコ沢コースは地蔵ヶ岳直下までずっと樹林帯の中なので、景色の代わりに滝を楽しみましょう。
白糸ノ滝。
ひたすら樹林帯を進みます。
五色ノ滝。
滝壺まで行ける道がありましたが、下りるのが面倒くさかったので遠くから撮影。
鳳凰小屋の手前でオベリスクが見えてきます。
鳳凰小屋
スタートから約3時間で鳳凰小屋に到着。
この広場はテント場でしょうか?
鳳凰小屋の正面から。
今年建て替えたばかりということでとても綺麗な建物です。
冬季小屋も綺麗。
地蔵ヶ岳とオベリスク
鳳凰小屋を過ぎたら、地蔵ヶ岳へ向かいます。
地蔵ヶ岳直下は滑りやすい砂地で体力削られます。
鳳凰三山のひとつ地蔵ヶ岳(2,764m)に到着。
本当はオベリスクの先端が一番高い場所ですが、登るのは危険なのでやめておきます。
このオベリスクを鳥のクチバシに見立て、鳳凰が天に飛んでいくように見えたことが鳳凰山の名前の由来になっているそうです(注:諸説あり)。
地蔵ヶ岳というだけあってお地蔵様が多くあります。
お地蔵様と甲斐駒ヶ岳。
オベリスクと八ヶ岳。
百高山の高嶺へ
隣にある高嶺という山に寄り道します。
地蔵ヶ岳から約30分で高嶺の山頂に到着。
標高2,779m、百高山のひとつです。
高嶺まで来る人はあまり多くないと思うので、山頂は狭いですがゆっくりできそうです。
甲斐駒ヶ岳がさらに近くに見えます。
高嶺は地味な山頂ですが、景色は最高。
南アルプスの女王と呼ばれる仙丈ヶ岳。
甲斐駒ヶ岳のすぐ隣にある山ですが、対照的な山容です。
日本で2番目に高い山・北岳と3番目に高い山・間ノ岳。
鳳凰三山の最高峰・観音ヶ岳へ
高嶺で景色を堪能したら観音ヶ岳に向かいます。
地蔵ヶ岳から観音ヶ岳はそれなりに疲れる登り返しです。
地蔵ヶ岳から約40分で鳳凰三山の最高峰・観音ヶ岳(2,840m)に到着。
観音ヶ岳の山頂はこんな感じで平らな場所が少しあります。
北岳から甲斐駒ヶ岳までの展望よし。
薬師ヶ岳へ
観音ヶ岳と薬師ヶ岳はすぐ近くで、ほぼフラット。
先に見える尖った岩があるあたりが薬師ヶ岳の山頂です。
この日最後の鳳凰三山・薬師ヶ岳(2,780m)に到着。
薬師ヶ岳の山頂は、平らな砂地の広場です。
中道コースから青木鉱泉へ下山
薬師ヶ岳から青木鉱泉への帰り道。
下山は中道コースです。
中道コースの途中にある御座石。
青木鉱泉に向けてひたすら樹林帯を下ります。
鳳凰山の日帰り登山で使用したアイテム
マムート リチウム20
僕にとって日帰り登山では欠かせないアイテムであるマムートリチウム20。
個人的には日帰り登山用リュックに雨蓋は必要ないと感じているので、その分メインスペースへのアクセスが容易です。
20リットルリュックには珍しくヒップベルトに小物入れが付いているので、リュックを下ろさなくても行動食を取り出すことが可能。
シンプルかつ洗練されたデザインは普段使いにもマッチして、使い勝手がとても良いリュックです。
詳しくはレビュー記事も参考にしてください。
パーゴワークス スナップ
ショルダーハーネスに取り付けられるポーチとしてパーゴワークス スナップを新しく買ったのでさっそく使ってみました。
実際に使ってみた感想として、まずメインのジッパーについては、大きめのジッパータブでとても開け閉めしやすいと感じました。
行動中はこの中にiPhone収納していましたが、取り出す際の開閉が苦になりませんでした。
内部にも小物用のポケットがあるので、リップクリームや行動食など入れておけます。
ポーチは今まではミレーヴァリエポーチを使っていました。
ミレーヴァリエポーチも良いポーチでしたが、小物をもう少しうまく収納できるポーチを探していて、このパーゴワークススナップを見つけたというわけです。
マムート リチウムアドオンボトルホルダー
こちらも新しく買ったマムートアドオンボトルホルダーです。
ザ・ノースフェイスボトルポケットからの買い替えです。
マムートアドオンボトルホルダーの方がショルダーハーネス固定用ベルトがひとつ多いので行動中に揺れても安定していました。
マムートリチウム20と同じマンモスロゴで揃えられるのでビジュアル的な満足度も上がります。